秋田行ってきました ~北秋田・田沢湖編~

今回は、大館能代空港のキャンペーンを利用して、初めての秋田訪問です。豊かな自然と伝統的な文化が融合した魅力あふれる地域で、四季折々の風景が楽しめます。さらに、地元の美味しい郷土料理や名高い秋田の地酒を存分に楽しむことも旅の大きな楽しみのひとつ。これから、秋田の自然や歴史に触れつつ、グルメやお酒を味わいながら、心温まる旅をお届けします。

伊勢堂岱(いせどうたい)遺跡(世界遺産)

北秋田市に位置する伊勢堂岱遺跡は、縄文時代後期前半の環状列石を主体とする遺跡で、2021年に「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界文化遺産に登録されました。この遺跡は、4つの環状列石を中心に、配石遺構や掘立柱建物跡、土坑墓、貯蔵穴などが発見されており、縄文時代の人々の生活や儀礼の様子を垣間見ることができます。

伊勢堂岱縄文館の動画で紹介される遺跡全景

伊勢堂岱遺跡の魅力は、その壮大なスケールと保存状態の良さにあります。特に、直径30メートル以上の環状列石は圧巻で、最大のものは直径45メートルにも及びます。これらの環状列石は、祭祀や儀礼の場として使用されていたと考えられており、周辺からは土偶や動物形土製品、石剣類などの祭祀道具も多数出土しています。

遺跡見学の際には、隣接する伊勢堂岱縄文館も訪れました。この縄文館では、遺跡の発掘調査の成果や出土品の展示が行われており、縄文時代の文化や生活について深く学ぶことができます。特に、20分間の紹介動画は、遺跡の歴史や発見の背景を分かりやすく解説しており、初めて訪れる方にもおすすめです。

伊勢堂岱遺跡から出土の板状土偶
様々な種類の土偶

伊勢堂岱縄文館は、毎週月曜日と年末年始を除いて開館しており、入館料は無料です。また、ボランティアガイドによる遺跡ツアーも行われており、事前予約をすれば、より詳しい解説を聞くことができます。アクセスも良好で、秋田内陸縦貫鉄道の縄文小ケ田駅から徒歩約5分、JR奥羽本線の鷹ノ巣駅から車で約15分の距離にあります。

伊勢堂岱遺跡と伊勢堂岱縄文館は、縄文時代の歴史や文化に触れる絶好の機会を提供してくれます。

・所在地:秋田県北秋田市脇神字伊勢堂岱
・アクセス:秋田内陸縦貫鉄道「縄文小ヶ田駅」から徒歩約10分
・見どころ:
 環状列石(ストーンサークル):4つのストーンサークルが残っており、縄文時代の人々の儀式や交流 の場とされます。これらの石組みは整然と配置され、独自の文化的価値があります。
 展示施設:遺跡近くには「伊勢堂岱縄文館」があり、出土品や縄文時代の暮らしについて展示されています。現地での発掘品や模型を通して、縄文人の生活や信仰を学ぶことができます。
・開館時間:伊勢堂岱縄文館は9:00〜17:00(冬期休館あり)
・入場料:無料(伊勢堂岱縄文館も入場無料)

田んぼアート

秋田県内陸線沿線は、四季折々の美しい風景が楽しめることで有名ですが、特に夏から秋にかけて見られる「田んぼアート」は、多くの観光客を魅了します。田んぼアートとは、広大な田んぼをキャンバスに見立て、異なる品種の稲を巧みに植えることで、巨大な絵や文字を表現するアートのこと。秋田県では、その伝統的な風景の中にこの新しい芸術が融合し、独特の魅力を放っています。


秋田内陸縦貫鉄道、通称「内陸線」に乗ると、田んぼアートが車窓から楽しめます。特に、阿仁前田駅や鷹巣駅周辺の田んぼは、毎年多くの見物客で賑わいます。車窓から見えるアートは、広大な田園風景の中に彩り豊かな絵柄が浮かび上がるため、他にはない圧巻のスケールを体感できます。
田んぼアートは、地元の農家やボランティアの協力によって制作されます。デザインのアイデアは毎年変わり、地域の特産品や歴史的なテーマが選ばれることも多いです。例えば、秋田犬や秋田杉、地元の伝統行事など、秋田の文化を象徴するモチーフが描かれることが多く、観光客にとってはその年ごとのテーマを楽しむことができます。手間暇かけて植えられる異なる色の稲は、青々とした稲穂の中で鮮やかに映え、夏の陽光を浴びながら成長し、見事なアートが形作られていきます。


田んぼアートの見ごろは、7月から9月にかけて。稲が成長するにつれて色彩も豊かになり、8月から9月にかけては特に見ごたえがあります。内陸線を利用すると、移動中も美しい風景を楽しむことができるため、列車の旅と田んぼアート鑑賞を同時に楽しむことができるのも魅力の一つです。

内陸線沿線の駅周辺には、展望台や見晴らしの良いスポットが点在しており、そこから田んぼアート全体を見下ろすことができます。特に、北秋田市や仙北市の観光案内所では、田んぼアートを巡るガイドマップや情報提供も充実しているため、事前に訪れてみるのもおすすめです。


秋田の田んぼアートは、単なる観光名所ではなく、地域の文化や農業へのリスペクトが込められたアート作品です。美しい風景に溶け込むアートは、秋田の豊かな自然や四季の移り変わりを体感させてくれるだけでなく、地元の人々とのふれあいも楽しめる体験です。

・見どころ: 田んぼアートは、内陸線の車窓から一番綺麗に見えるように作られています。見ごろは6月下旬から9月上旬までです。
・場所: 角館駅から羽後太田駅、上桧木内駅、阿仁合駅から小渕駅、前田南駅から阿仁前田温泉駅、縄文小ヶ田駅の沿線5ヵ所で楽しめます。
・テーマ: 毎年異なるテーマやキャラクターが描かれ、2024年は「クレヨンしんちゃん」や「紙風船ワクワクの夜」などがテーマです。
・アクセス: 秋田内陸縦貫鉄道の列車に乗って、ゆっくりと田んぼアートを楽しむことができます。

くまくま園

北秋田市にある「くまくま園」は、ツキノワグマとヒグマを間近で観察できる、東北地方唯一の動物園です。ここでは、クマたちの自然な姿を楽しむことができ、特にツキノワグマのこぐまとヒグマの迫力ある姿が訪れる人々を魅了しています。

くまくま園は、秋田県北秋田市阿仁打当(あにうっとう)に位置し、地元の人々や観光客に愛されています。園内には、ツキノワグマとヒグマがそれぞれ専用のエリアで飼育されており、ガラス越しにその姿を観察することができます。特に、ツキノワグマのこぐまは、その愛らしい姿で多くの人々の心を癒しています。その小さな体でおもちゃの材木とじゃれたりこぐま同士で遊ぶ姿は、まさに愛らしさの極みです。

一方、ヒグマのエリアでは、その巨大な体と迫力ある動きが見どころです。ヒグマは、体長が2メートルを超えることもあり、その力強い姿は圧巻です。特に、ヒグマが水遊びをする姿や、餌を探して動き回る姿は、まるで野生の中にいるかのような臨場感を味わえます。ヒグマの鋭い爪や強力な顎は、自然界での生存競争を物語っており、その迫力に圧倒されることでしょう。

くまくま園では、クマたちに餌を与える体験も楽しめます。園内で購入できるおやつをクマたちに投げると、立ち上がっておねだりする姿が見られます。このような体験を通じて、クマたちとの距離がぐっと縮まることでしょう。また、園内ではクマに関する展示や解説も行われており、クマの生態や保護活動について学ぶことができます。

餌をねだるツキノワグマ(中くま)
日陰で涼むツキノワグマ(大くま)

くまくま園は、クマたちの魅力を存分に楽しめる場所であり、訪れる人々にとって特別な体験を提供しています。ツキノワグマの赤ちゃんの可愛らしさとヒグマの迫力ある姿を間近で見られるこの場所は、家族連れや動物好きの方々にとって、忘れられない思い出となることでしょう。

・住所: 秋田県北秋田市阿仁打当1-39
・営業時間: 9:00~16:00(最終入園は15:30まで)
・休業日: 4月上旬から11月上旬まで無休
・入園料: 大人(高校生以上)700円、小人(小・中学生)200円、幼児(未就学児)無料
・アクセス: 秋田内陸線「阿仁マタギ駅」から送迎約15分(無料送迎あり)
・電話番号: 0186-84-2626

マタギの里

北秋田市にある「マタギの里」道の駅を訪れました。ここは、伝統的なマタギ文化を感じられる場所で、自然豊かな環境の中で美味しい食事を楽しむことができます。

道の駅に到着すると、まず目に飛び込んできたのは、地元の特産品や手作りの工芸品が並ぶ売店でした。新鮮な山菜やキノコ、地元の名産品がずらりと並び、見ているだけでワクワクします。

地元農家が栽培した野菜を持ち込んで販売

さて、お待ちかねの食事タイムです。今回は、珍しいメニューに挑戦してみました。まずは「うさぎ肉ラーメン」。初めて食べるうさぎ肉に少し緊張しましたが、一口食べてみると、その柔らかさと旨味に驚きました。スープはコクがあり、うさぎ肉の風味がしっかりと感じられます。麺ももちもちしていて、スープとの相性が抜群でした。

次にいただいたのは「さくら定食」。これは馬肉のすき焼き風の料理で、甘辛いタレがしっかりと染み込んだ馬肉が絶品でした。しょうがも入っており、甘辛い中にサッパリ感があり、ご飯との相性も抜群で、箸が止まりませんでした。

食事を楽しんだ後は、道の駅の周辺を散策しました。美しい自然の中でリフレッシュできるスポットがたくさんあり、特に秋の紅葉が見事でした。マタギの里は、食事だけでなく、自然と文化を満喫できる素晴らしい場所です。

・住所: 秋田県北秋田市阿仁比立内字家ノ後8-1
・電話番号: 0186-69-2575
・営業時間:
 売店: 9:00~17:00
 お食事処あおしし: 11:00~14:00(ソフト・コーヒーは9:00~16:00)
 情報休憩室・トイレ: 24時間使用可
・定休日:
 売店とお食事処あおしし: 12月31日・1月1日、12月から3月の期間中の毎週火曜日
・アクセス:
 秋田内陸縦貫鉄道 比立内駅より徒歩5分
 東北自動車道→秋田自動車道 小坂JCTから経由、鷹巣I.C.から国道105号線経由で約50分
 東北自動車道 盛岡I.C.から国道46号線→105号線経由で約1時間30分
 秋田自動車道 五城目I.Cから国道285号線→105号線経由で約1時間

田沢湖

仙北市に位置する田沢湖は、日本一深い湖として知られ、その透明な青い水面が訪れる者を魅了します。標高の高い場所にあるため、四季折々の風景が楽しめ、特に秋には周囲の木々が色鮮やかな紅葉に染まり、湖面に映し出される光景は息をのむほど美しいです。また、湖の神秘的な青は「田沢ブルー」とも呼ばれ、その澄んだ色合いが訪れる人々に心地よい静けさと癒しをもたらします。

パノラマ撮影の田沢湖

田沢湖の周辺には観光スポットが多く点在しており、その中でも特に見逃せないのが御座石神社(ござのいしじんじゃ)です。この神社は、田沢湖の湖畔に静かに佇んでおり、その朱色の鳥居が湖の青とのコントラストで幻想的な雰囲気を醸し出します。

御座石神社の歴史は古く、地元では田沢湖の主とされる「辰子姫(たつこひめ)」伝説とも深い関わりがあります。辰子姫は美しさを永遠に保つために泉の水を飲んだ結果、不老不死の存在となり、田沢湖に棲む龍になったという物語が伝えられています。この伝説が湖と神社に神秘的な魅力を加えているのです。

御座石神社の鳥居をくぐり抜け、湖畔を散策すると、澄んだ空気と静寂が心を浄化し、まるで時が止まったかのような感覚を覚えます。湖の美しさに引き込まれ、ゆったりと流れる時間の中で自分自身と向き合える場所でもあります。

田沢湖側から神社を望む
たつこ像

田沢湖と御座石神社は、自然と歴史、そして神話が織り成す独特の魅力を持ち、訪れる者に深い感動を与えてくれます。

~田沢湖基本情報~
・所在地: 秋田県仙北市田沢湖潟搓湖
・面積: 約25.75平方キロメートル
・周囲長: 約20キロメートル
・最大水深: 423.4メートル(日本一の深さ)
・湖面標高: 249メートル
・成因: カルデラ湖

~御座石神社基本情報~
・所在地: 秋田県仙北市西木町桧木内相内潟1
・電話番号: 0187-43-2111(仙北市田沢湖観光情報センター「フォレイク」)
・アクセス:JR秋田新幹線田沢湖駅から羽後交通田沢湖一周バスで55分、御座石神社前下車すぐ

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