熊本行ってきました ~熊本・宇土編~

熊本市と宇土市は、歴史的な魅力と美しい自然が調和したエリアです。熊本では、2016年の地震で大きな被害を受けながらも、復興を遂げた熊本城。さらに、熊本の名物グルメ、熊本ラーメン、赤牛、馬刺しや辛子レンコン、太平燕なども楽しみたいところです。熊本市内から車で約30-40分ほどの宇土市に足を伸ばせば、美しい砂紋の御輿来海岸、潮が引くと姿を現す長部田海床路など、今回は歴史とグルメ、自然を満喫できる熊本・宇土について紹介したいと思います。

熊本城

熊本城は、日本の名城の一つであり、その荘厳な姿は、歴史の長い熊本市の象徴的存在です。しかし、2016年4月に発生した熊本地震で、熊本城は甚大な被害を受け、特に石垣や天守閣の一部が崩れ、多くの人がその姿を見て胸を痛めました。それでも、地元の人々の強い思いや支援が集まり、復興のプロセスがすぐに始まりました。

場内にあった復興のポスター

現在、熊本城はその復興を遂げつつあり、訪れる人々は再びその威風堂々たる姿を見ることができます。特に、2021年には大天守の外観がほぼ修復され、その堂々たる姿が戻ってきました。黒と白のコントラストが美しい天守閣は、地震で一時崩壊したとは思えないほどの復元がなされており、多くの観光客がその復活を祝福しています。石垣も細心の注意を払って修復が進められており、その歴史的価値を守りながら現代の技術を取り入れた耐震強化が行われています。

力強い姿を見せる熊本城(天守閣)
高い耐震性能を実現するため摩擦ダンパーを採用

しかしながら、熊本城全体の復興はまだ道半ばです。特に、周辺の石垣や塀、また城内の重要な文化財は、いまだ手が付けられていない部分も多く残っています。

一部の石垣は、崩れた石がそのままの状態で保管されており、これらを一つ一つ元の位置に戻すためには、多くの時間と労力が必要です。観光客は、修復作業中の箇所や、まだ手が入っていない崩壊した部分を見ることができ、地震の爪痕を目の当たりにしながら、復興の大変さと長期にわたるプロジェクトの壮大さを感じることができます。

復旧作業中の宇土櫓

熊本城は、単なる観光名所ではなく、復興のシンボルとして今も成長を続けています。地震後の姿から、壊れたままの部分と新たに甦った部分、その両面を見ることで、歴史と現代が交錯するこの城の特別な魅力を体感できるでしょう。復興に向けてまだ長い道のりが残っていますが、地元の人々の努力と支援が続く限り、熊本城はますます力強く、そして美しく未来へと歩みを進めるはずです。

黒亭

熊本ラーメンの名店「黒亭」は、多くのラーメン愛好家に愛されています。熊本ラーメンを代表する一杯で、その特徴的な風味が一口目から広がり、訪れる人々を魅了してやみません。県内に4店舗ありますが、今回は熊本城のおひざ元にあるサクラマチクマモトに行きました。

店舗入口にある、くまモン

豚骨ベースのスープに、焦がしにんにく油が加わり、香ばしさとほろ苦さが絶妙に調和しています。このスープは、長時間煮込まれた豚骨から抽出された旨味が凝縮されており、一口飲むだけでその濃厚さに驚かされます。

次に、麺の食感が素晴らしいです。自家製の中太ストレート麺は、スープとの相性が抜群で、もちもちとした食感が楽しめます。麺がスープをしっかりと絡め取り、一口ごとに豊かな風味が広がります。

そして、主役のチャーシュー。黒亭のチャーシューは、柔らかくジューシーで、口の中でとろけるような食感が特徴です。特製のタレでじっくりと煮込まれたチャーシューは、甘辛い味付けがスープとの相性も抜群です。厚みのあるチャーシューが贅沢にトッピングされており、食べ応えも十分です。

さらに、トッピングのキクラゲやネギ、有明産のりが、ラーメン全体のバランスを引き立てています。これらの具材がスープや麺と一体となり、最後まで飽きることなく楽しめました。

御輿来(おこしき)海岸

御輿来海岸は、その美しい砂紋で知られていますが、残念ながら訪れた日の夕方は干潮の時間ではなく、砂紋を見ることができませんでした。しかし、それでもこの場所の魅力は十分に感じることができました。干潮時にしか現れない幻想的な景色を見逃してしまったとしても、御輿来海岸には他にもたくさんの魅力が詰まっています。

御輿来海岸 名前の由来

特に夕方になると、遠くにそびえる島原の雲仙岳を背景に沈む夕陽がとても美しかったです。太陽がゆっくりと水平線に近づくと、空がオレンジやピンク、紫色に染まり、まるで絵画のような光景が広がりました。波が穏やかに寄せてくる音を聞きながら、その風景に包まれていると、日々の喧騒から解放され、心が落ち着いていくのを感じました。

夕陽と雲仙岳
展望台
干潮時にはここに波の形のような大きな曲線が現れる

砂紋の魅力はもちろんですが、干潮でない日でも、このような素晴らしい夕陽の時間を楽しむことができる御輿来海岸は、訪れる価値が十分にある場所だと改めて感じました。次回は、ぜひ干潮時の砂紋を目にしたいと思いつつ、この美しい夕景もまた忘れられない思い出となりました。

長部田海床路(ながべたかいしょうろ)

長部田海床路は、その独特な景観から「インスタ映え」スポットとして人気の場所です。訪れた日はちょうど満潮で、海床路はすっかり海の中に沈んでおり、まるで電柱だけが海面から突き出しているかのような幻想的な風景が広がっていました。

遠くまでまっすぐに続く電柱が、水平線と溶け合いながら並んで立っている姿は、まさに写真に収めたくなる光景。多くの人がカメラを構え、その絶景を一瞬でも逃さないようにとシャッターを切っていました。

海に沈んでいく道路と空に映る柔らかな光は、刻一刻と変わりゆく自然の美しさを感じさせてくれました。特に、徐々に夕闇が訪れる時間帯になると、空が濃い青からオレンジ、ピンク、そして薄紫に変化し、海面にその色が反射して、さらに幻想的な雰囲気が漂います。静かに波が寄せてくる音と、海に伸びる電柱が織りなす風景は、まるで非現実的な空間にいるかのような感覚を与えてくれました。

夕暮れが進むにつれて、景色がだんだんと暗くなっていき、その中でも電柱だけが目立つシルエットとなって浮かび上がります。多くの人々がその瞬間を楽しみ、スマートフォンやカメラで写真を撮りながら、幻想的な風景に心を奪われている様子が印象的でした。長部田海床路は、ただの絶景スポットではなく、時間とともに移り変わる自然の美しさを体感できる特別な場所です。満潮時にしか見られないこの光景は、一度訪れると忘れられない体験になること間違いありません。

馬タン牛タン

熊本といえば、美食の宝庫。注文したのは、熊本ならではのおつまみ盛り合わせと、あか牛と牛タンの2種炭火焼丼です。まず、おつまみ盛り合わせには、熊本の郷土料理がずらりと並びます。

おつまみ盛り合わせ

辛子蓮根はピリッとした辛子がアクセント、ひょうたん漬けはさっぱりとした酸味が食欲をそそります。人文字ぐるぐるはネギの歯ごたえと、もろみ豆腐は濃厚な味わいが特徴。ホルモン煮込みは、柔らかく煮込まれたホルモンが味噌の深い風味と絶妙にマッチして、どれもお酒が進む一品ばかりです。

米焼酎「銀しろ」

次に、あか牛と牛タンの2種炭火焼丼。まず、あか牛は肉本来の旨みと程よい脂が楽しめ、柔らかくジューシー。一方の牛タンは、香ばしく焼き上げられ、程よい歯ごたえが絶品です。

それぞれの肉の特徴がしっかりと引き立ち、炭火で焼くことで香ばしさが増しています。ご飯との相性も抜群で、噛むほどに肉の旨味が広がり、贅沢なひとときを楽しめます。

あか牛
牛タン

一つの丼に2種類の美味しい炭火焼が詰まっており、とても満足の一品でした。

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